9月5日「生産性新聞」の連載記事

過日に、日本生産性本部が発行する「生産性新聞」において、「産業・組織心理学から紐解くテレワーク時代のマネジメント」と題する連載が始まる旨のご報告をしました。

9月5日に「生産性新聞」が発行され、その連載記事のPDFをご提供頂きましたので、ご紹介いたします。

#1_生産4面-テレワーク時代

「優秀論文賞」を受賞しました

 
2021年9月4日の産業・組織心理学会第36回大会の初日に、優秀論文賞の選考委員会が開催され、下記の論文が2021年度の「産業・組織心理学研究」における「優秀論文賞」を受賞しました。
 
池田 浩・秋保亮太・金山正樹・藤田智博・後藤 学・河合 学(2021)安全の現場に求められるワークモチベーション:安全志向的モチベーションの効果とその源泉としての自己価値充足モデル 産業・組織心理学研究, 34(2), 133-146.
 
本論文は、2016年度から原子力安全システム研究所(INSS)と「安全の現場に求められるワークモチベーション」について進めてきた共同研究の成果をまとめたものです。
 
医療や電力、鉄道などの安全が求められる現場で適用可能な「安全志向モチベーション」を提唱し、その測定尺度を開発したことに加えて、安全の現場だけでなく、間接部門、クレームやトラブル処理など、与えられた職務を全うすることが当然のことと考えられている現場での、モチベーションの源泉として「自己価値充足モデル」を提唱したことも大きな特徴です。
 
「自己価値充足モデル」については、2021年2月に出版した拙著『モチベーションに火をつける働き方の心理学』で詳述しておりますので、ご興味のある方はぜひこちらもご笑覧下さい。

「生産性新聞」での連載が始まります

日本生産性本部が発行する「生産性新聞」において、今月より「産業・組織心理学から紐解くテレワーク時代のマネジメント」と題する連載が始まります。
 
この連載は、月に1回、合計10回(2022年6月まで)を予定しております。
 
多くの組織でテレワークが導入されてきました。
昨年度から多くの企業やシンクタンクを中心に、テレワークの実態を明らかにする調査が積み重ねられてきました。
それによって多くの実態が浮き彫りになりました。
こうしたテレワークという働く環境の変化は、これまで蓄積してきた産業・組織心理学の前提や理論、知見を揺さぶろうとしています。
 
例えば、
・ これまで人材育成はOJTやOff-JTなど「対面」が主だったが、「リモート」で実現可能か?
・ リーダーシップの暗黙の前提は、リーダーとメンバーが同じ空間で直接コミュニケーションができる環境。テレワークでは、従来の理論はどこまで当てはまるか?
・ 新入社員がリモート中心であれば、組織社会化は進むのか?
・オフィスワークとテレワークが混在した会議では適切な意思決定は可能なのか?
  など例を挙げれば枚挙に暇がありません。
 
こうしたことから、本連載では、産業・組織心理学の知見や理論を見直し、再構築を図りながら、学術的な知見をベースにテレワーク時代におけるマネジメントに実践的な示唆を提供しようと考えています。
 
 
9月5日に発行予定の第1回目は「克服すべき3つの壁」です。
一部の報道では、「テレワーク疲れ」やオフィスワークへの「揺り戻し」が指摘されていますが、テレワークとオフィスワークの共存を目指して、テレワークという新しい働き方に適応しながら意欲的かつ効率的に働くための方法や管理者の効果的なマネジメントの構築を図るために克服すべき三つの壁について論じました。
 
 
 
 

「産業・組織心理学研究」の特集号に論文が掲載されました

「産業・組織心理学研究」の特集号「ウィズ・アフターコロナにおける産業・組織心理学」に、下記の論文が掲載されました。
 
池田 浩・縄田健悟・青島未佳・山口裕幸(2021)テレワークのもとでの自己調整方略:自己調整方略の効果とそれを醸成する上司からの被信頼感 産業・組織心理学研究, 35(1), 61-73.
 
昨年からコロナ禍となり、多くの組織でテレワークという新しい働き方が運用されていますが、ストレス軽減やワークライフバランスの向上などのメリットが強調される一方で、オフィスよりも仕事がはかどらない、モチベーションの維持が難しいなどのデメリットが指摘されています。
 
オフィスでは、会社という場に出向き、上司や同僚と同じ空間で働くこと自体、気持ちが引き締まり、仕事に気持ちが向かうものの、テレワークでは自律的に仕事に向かう必要があります。そうしたモチベーションを自ら高め、維持する方略のことを本研究では「自己調整方略」と呼びました。「自己調整方略」は下記の図に示す通りです。
そして、自己調整方略を行っている人は、テレワークでの働き方にどのような変化をもたらしたかを明らかにしました。
もう1つ本研究の興味深い取り組みは、テレワーク環境下における「リーダーシップ」の問題について検討しました。
テレワークでは、上司と物理的に距離があるため、リーダーシップが機能しにくくなる、という指摘があります。そこで、本研究では、テレワーク環境下で「自己調整方略」を高めうるリーダーシップについて検討したところ、通常のリーダーシップの効果は見られず、むしろ「リーダーに対する被信頼感」(自分はリーダーから信頼されている感覚)が効果を持つことが明らかになりました。
 
テレワークについて興味のある方はぜひご笑覧下さい。

 

「産業・組織心理学研究」第34巻2号に、INSSとの共同研究の論文が掲載されました

 
産業・組織心理学会が発行する「産業・組織心理学研究」に下記の論文の掲載が決定しました。
 
池田 浩・秋保亮太・金山正樹・藤田智博・後藤学・河合学(2021)安全の現場に求められるワークモチベーション:安全志向的モチベーションの効果とその源泉としての自己価値充足モデル 産業・組織心理学研究, 34(2), 133-146.
 
この論文は、2016年度から原子力安全システム研究所(INSS)と「安全の現場に求められるワークモチベーション」について共同研究を進めてきた成果をまとめたものです。
 
安全の現場では、安全に関わるルールや手順を遵守することが当然のことと見なされており、そこで働く人々のモチベーションの問題についてあまり取り上げられることはありませんでした。そこで、本論文では、新たに「安全志向モチベーション」なる概念を提案して、その尺度も作成しています。
 
一般的にワークモチベーションが意味することは、目標達成や業績を上げることに向かう「接近」志向が暗黙の前提とされていました。過去のモチベーション理論もそうした課題や成果を前提としていました。
しかし、安全が求められる現場では、ミスや失敗を回避しながら安全を実現することを志向する従来のモチベーションとは異なる特徴を持ちます。
 
そうした点に着目しながら、2つの大規模病院の看護師の皆様に協力して頂き、安全志向モチベーションの有効性を実証した論文になります。