共同研究が2017年日本心理学会 優秀学会発表賞を受賞しました

2017年9月20日-21日に久留米シティプラザで開催された日本心理学会第81回大会において,以下の発表が「2017年学会賞(優秀発表賞)」のひとつに選ばれました。

・発表者:有吉 美恵(九州大学大学院)、池田 浩(九州大学大学院)、縄田 健悟(福岡大学)、山口 裕幸(九州大学大学院)
・発表題目:社会的貢献の振り返りが新任者のストレスを低減する効果

本共同研究は、コールセンターに勤務するオペレーターを対象に、彼・彼女らのストレスを抑制し、そしてワークモチベーションを向上させることを目指した一連の研究の一部です。
昨今、様々な業種でコールセンターが設置されていますが、そこで勤務するオペレーターのストレスや退職率の高さが問題となってます。
その中でも、本研究で対象としているオペレーターの受電内容は、顧客から寄せられるトラブルに適切かつ迅速に対応することが求められるものであるため、達成感を感じにくいという特徴をもっています。

こうしたコールセンター業務において、我々は現場観察やインタビュー、質問紙調査を行い、オペレーターのワークモチベーションを左右する心理的要因として『社会的貢献感』(自らの業務を通じて“顧客”、“同僚”、“上司”(総称して『社会的』)に貢献できていると感じる程度)を同定し、その効果を検証してきました。

本研究では、そうした社会的貢献感を意識化するための取り組みとして、某企業の複数のコールセンターに1ヶ月間の介入を行い、その効果を検証したものです。

新刊「社会心理学におけるリーダーシップ研究のパースペクティブII」が出版されました

昨年11月にナカニシヤ出版より「社会心理学におけるリーダーシップ研究のパースペクティブII」(坂田桐子 編著)が出版されました。
専門書ではありますが、リーダーシップの最新知見が丁寧にレビューされてるだけでなく、今後の展望も議論されています。
今回は、第3章の「個人特性とリーダーシップ」
そして、第5章の「サーバント・リーダーシップ」の2章を担当させて頂きました。

各章は下記の通りです。

序 章 リーダーシップ研究の近年の動向
第I部 リーダーシップの心理的基盤
 第1章 勢力と地位
  第2章 情動とリーダーシップ
 第3章 個人特性とリーダーシップ
第II部 集団内のリーダーシップ
 第4章 交換関係としてのリーダーシップ
 第5章 サーバント・リーダーシップ
 第6章 共有されるリーダーシップ
第III部 リーダーシップの現代的トピック
 第7章 ダイバーシティとリーダーシップ
 第8章 リーダーシップの倫理性と破壊性

新刊「職場のポジティブメンタルヘルス2: 科学的根拠に基づくマネジメントの実践」が出版されました

昨年、11月末に新刊「職場のポジティブメンタルヘルス2: 科学的根拠に基づくマネジメントの実践」(島津 明人 (編著))が出版されました。
この本は、2015年に出版された「職場のポジティブメンタルヘルス:現場で活かせる最新理論」(島津 明人 (編著))に続くもので、非常に好評を得たとのことで出版の運びになりまりた。

このシリーズは、基本的には日本生産性本部と東京大学が共同で設立した「健康いきいき職場づくりフォーラム」において、毎月様々な分野(産業保険、臨床心理学、産業・組織心理学、経営学など)の研究者が、「健康いきいき職場づくり」に関する最新知見とそれに基づく実践方法を紹介するコラムをベースに書き下ろしたものです。

「健康いきいき職場づくり」という共通のテーマに対して、学際的な視点からの最新知見と実践的アプローチは、学問的にも興味深いだけでなく、現場に役立つ内容にもなっていますのでぜひ興味のある方はご一読ください。

各章の内容は下記の通りです。

目次
第Ⅰ部 セルフマネジメントへの活用
 1 今、目標がありますか?    (原 雄二郎)
    ――自己一致した目標がより良く生きるコツ!
 2 「ポジティブ」の流れにどうしても乗れないあなたに    (原 雄二郎)
    ――「ネガティブ」も案外悪くない!
 3 仕事は成し遂げられると「信じる」ことが大切    (種市康太郎)
    ――自己効力感(セルフ・エフィカシー)が仕事のいきいきを作る
 4 Win-Winでなくてもよい?    (大塚泰正・堀田裕司)
    ――本当は損ではない他人を思いやる行動
 5 ポジティブ・チョイス    (田山 淳)
    ――職場におけるポジティブな物事に着目し、いきいき感を高める
第Ⅱ部 組織マネジメントへの活用
 6 多様化する職場の組織力を高める (江口 尚)
    ――組織風土と経営理念の活かし方
 7 倫理風土と仕事の有意味感の関連性    (櫻井研司)
 8 ジョブ・クラフティングをうながす「しなやか」マインド・セット (森永雄太)
 9 みんなの心を一つにすればチーム力を引き出せる    (池田 浩)
    ――職場における共有認知の形成
 10 オフィス環境の空間デザイン    (花里真道)
    ――いきいきと働くために
 11 オフィス環境とワーク・エンゲイジメント    (稲水伸行)
第Ⅲ部 生活のマネジメントへの活用
 12 仕事とのほどよい距離感    (島津明人)
    ――オフの過ごし方からワーク・エンゲイジメントを考える
 13 仕事とプライベートとのポジティブな関係    (島田恭子)
    ――仕事でいいこと、家で応用、プライベートを仕事でも活用

新刊『産業と組織の心理学』(編著)が出版されました

2017年11月1日付けで編著『産業と組織の心理学』がサイエンス社より出版されました。

編集をお受けしてちょうど3年が経ちましたが、素晴らしい気鋭の先生方にご執筆頂き、「産業・組織心理学」の基本的な内容を図表を多数交えながら分かりやすく概説しつつ、コラムなどを活用して最新の研究や動向にも触れています。

心理学の国家資格「公認心理師」が誕生し、「産業・組織心理学」の科目も必要になりました。「産業・組織心理学」を始めて学ぶ初学者のみならず、組織で働く人の「心理」や「行動」に興味を持つ多くの方にも手に取って頂けるとありがたく思います。
なお、『産業と組織の心理学』の各章と執筆に関わって下さった先生方は下記の通りです。

第1章    産業・組織心理学への招待      九州大学 池田 浩
第2章    採用と面接             横浜国立大学 服部泰宏
第3章    人事評価                              西南学院大学 柳澤さおり
第4章    組織への適応と職務行動           福岡工業大学短期大学部 吉原克枝
第5章    ワーク・モチベーション           武蔵大学 森永雄太
第6章    メンタルヘルスと心の強さ        九州大学 菊地 梓
第7章    キャリア発達                           福岡女学院大学 藤村まこと
第8章    職場集団のダイナミックス      西南学院大学 田原直美
第9章    リーダーシップ                        九州大学 池田 浩
第10章  仕事の能率と安全                      岡山大学 三沢 良
第11章  マーケティングと消費者行動       上智大学 杉谷陽子
※敬称略

第5回『組織心理学』読書会のお知らせ

2015年から年2回のペースで開催している『産業・組織心理学/組織行動』研究会も、今年で3年目を迎えることになりました。

この研究会(読書会)は、産業・組織心理学や社会心理学、経営学(組織行動論)、臨床心理学などの分野で研究や実務に携わっている研究者ならびに大学院生の30名ほどが参加し、「Annual Review of Organizational Psychology and Organizational Behavior」に掲載されている組織心理学/組織行動論の最新知見を各自が報告し、そしてそれを踏まえながら今後の研究課題について議論しています。

当初は「Annual Review of Organizational Psychology and Organizational Behavior」のVol1およびVol2を取り上げていましたが、昨今の『産業・組織心理学/組織行動』を語るうえで重要な研究テーマについてレビューされていることから、今回の2日目からはVol3とVol4を取り上げていきます。

次回の第5回は9月11日(月)および12日の2日間にかけて九州大学で開催します。

日時 2017年9月11日(月)11:00~17:00,12日(火)10:30~16:20
場所
九州大学 箱崎キャンパス
教育心理棟2階 演習室
課題図書 「Annual Review of Organizational Psychology and Organizational Behavior」(Vol.1-Vol.4)
http://www.annualreviews.org/journal/orgpsych
発表者*・章 1日目9月11日(月)

11:00-12:30 有吉美恵(九州大学大学院)「Vol.2,21-46 Group Affect」

<12:30-13:30> 昼食

13:30-15:00 柳澤さおり(西南学院大学)「Vol.2,551-582 Technology and Assessment in Selection」

15:20-16:50 林 祥平(明治学院大学)「Vol.2,523-550 Stereotype Threat in Organizations」

2日目 9月12日(火)

10:30-12:00 砂口文兵(神戸大学大学院)「Vol.3, 139–166 Dyadic Relationships」

<12:00-13:00> 昼食

13:00-14:30 安達悠子(東海学院大学)「Vol.3, 377–406 Impression Management in Organizations Critical Questions, Answers, and Areas for Future Research」

14:50-16:20 秋保亮太(日本学術振興会特別研究員・九州大学)「vol.3, 213–239 To Seek or Not to Seek Is That the Only Question Recent Developments in Feedback-Seeking Literature」

*敬称略。