カテゴリー別アーカイブ: 研究

科学研究費補助金 基盤研究(C)に採択されました

 今年度から『組織におけるフォロワーシップの概念確立とその育成支援に向けた生起要因の解明 』のテーマで、科学研究費補助金 基盤研究(C)に採択されました。
 昨年度までは「サーバント・リーダーシップ」のテーマで科研費の補助を受けて、研究を進めてきました。そこで得られた研究成果をさらに発展させ、フォロワーの視点から「フォローワーシップ」に関する研究に取り組んでい行きます。
 一般的には、リーダーシップに関心と多くの期待が寄せられていますが、ある研究者によればリーダーシップが組織業績に及ぼす効果は20~30%にしか過ぎず、残りの多くはフォロワーの貢献によると指摘されています。この指摘が妥当性を持っているかどうかは別として、リーダーシップが、リーダーとフォロワーとの相互作用によって生まれる現象であることを考えると、フォロワーがリーダーに対してどのように関わるかは、組織の成果を左右する重要な問題です。また、健全で倫理的なリーダーをつくるのもフォロワーの役目かも知れません。
 最近では、リーダーシップ研究では、「倫理的リーダーシップ」など「倫理性」が強く意識されています。また、イギリスでは毎年、リーダーの『傲慢さ』(hubris)を議論する国際会議が開催され、学際的な視点からこの問題が議論されています。
 こうした視点から、「フォローワーシップ」に関する理論的かつ実証的な研究を進めていきます。
なお、今年度の「社会心理学会」では、『 勇敢で献身的なフォロワーシップの生起要因に関する研究
』と題して、基礎的な研究成果を報告する予定です。

福岡大学人文論叢に「リーダーの自己犠牲」に関する論文が掲載されました

2015年6月に刊行された福岡大学人文論叢に「リーダーシップ機能を補完するリーダーの自己犠牲に関する研究」の論文が掲載されました。

self-sacrifice

リーダーの自己犠牲とは、”リーダーが組織や集団の目標を達成するために、自らの個人的なコストを被ること”と説明されています。 ここで言うコストとは、金銭などの物理的コストや時間や労力などのコストも含みます。

実は、インド独立の父として知られるマハトマ・ガンジーなど、偉大な指導者のなかには、見返りを求めずに人々のために尽くす行動が見受けれます。

従来のリーダーシップでは、ハーバード大学やミシガン大学、日本でも九州大学などでは、1950年代から盛んに、効果的なリーダー行動とは何かを探ることがなされてきました。そして、そこで観察されたリーダーの行動は、直接、課題遂行やメンバーとの交流に関する行動に注目されてきました。

リーダーの自己犠牲行動は、必ずしも観察されにくいものですが、普段から交流している集団のメンバーから見ると、その行動を見て、リーダーに対する信頼感につながるようです。

池田 浩 (2015). リーダーシップ機能を補完するリーダーの自己犠牲に関する研究 福岡大学人文論叢, 47(1), 1-18.

p.s. 昨年の秋頃に、福岡大でも機関リポジトリが運用されはじめました。サイトを閲覧したところ、なんとこの論文がランキングの上位に位置しており、この投稿(2016年2月3日)をアップした時点でもランクインしています。閲覧してくださった方、ダウンロードしてくださった方には感謝申し上げます。