「研究」カテゴリーアーカイブ

「産業・組織心理学研究」に第2著者の論文が掲載されました

産業・組織心理学会が発行する「産業・組織心理学研究」に下記の論文の掲載が決定しました。 

有吉美恵・池田 浩・縄田健悟・山口裕幸  (2018).  ワークモチベーションにおける社会的貢献感の役割:コールセンター受電業務オペレーターを対象とした調査研究産業・組織心理学研究, 32, 3-14.

本研究は、2015年から4年ほど関わらせて頂いている某コールセンター企業での研究の一部です。コールセンター業務は、様々な業種に広がっていますが、時にお客様から厳しい声があるために、ストレスを抱えやすく、離職率も高いと言われています。


九州大学の我々の研究室では、特にお客様からのトラブルやクレームを対応することが求められているコールセンターに勤務するオペレーターを対象に、彼ら/彼女らがどのように仕事へのモチベーションを維持したり、高めているかの心理的メカニズムを明らかにしています。

本論文では、特にお客様や同僚などに自分の仕事や対応が役立っていると感じることを「社会的貢献感」と名付け、これがモチベーションを促進する効果を実証したものです。


なお、この知見をベースに、オペレーターのモチベーションを高める現場介入も行っていますが、これについては後続する論文にまとめられる予定です。

「社会心理学研究」に第3著者の論文が掲載されました

日本社会心理学会が発行する「社会心理学研究」に下記の論文の掲載が決定しました。 

秋保亮太・縄田健悟・池田 浩・ 山口裕幸 (2018). チームの振り返りで促進される暗黙の協調:協調課題による実験的検討 社会心理学研究, 34, 67-77.

本研究は、チームのメンバー同士が、会話を行わなくても協調できる「暗黙の協調」の現象を実験的に検証したものです。ラビリンスゲームという2人のメンバーが協調することが求められる迷路課題を使って、セッション事にチームで振り返りを行う条件とそうでない条件で比較しました。


すると、初期のセッションでは、振り返りあり/なしの条件で暗黙の協調度に違いがありませんでしたが、セッションの終盤になると、チームで振り返っている条件ほど、暗黙の協調が行われていることを明らかにしました。

実験社会心理学研究に第2著者の論文の掲載が決定しました

日本グループ・ダイナミックス学会が発行する「実験社会心理学研究」に下記の論文の掲載が決定しました。
 
有吉美恵・池田 浩・縄田健悟・山口裕幸(印刷中) 定型業務がワークモチベーションを抑制させる心理プロセス:職務意義の媒介効果 実験社会心理学研究
 
ワークモチベーションに関するほとんど全ての研究は、ワークモチベーションをどのように高めるかに焦点を当てたものです。
しかし、上記の研究はその逆の視点として、特に事務的な業務や反復的な業務を総称した「定型業務」のもとでなぜワークモチベーションが抑制されるのか、その心理的メカニズムを実証的に明らかにしています。
 
その心理的メカニズムとして「職務意義」に着目し、顧客への貢献や自己成長などの職務意義が満たされないために、ワークモチベーションが抑制されること明らかにしています。

日本リーダーシップ学会論文集にサーバント・リーダーシップに関する論文が掲載されました

2018年1月に発行された「日本リーダーシップ学会論文集」に下記の論文が掲載されました。

池田 浩・黒川光流(2018). サーバント・リーダーシップの波及効果と職場活性化 日本リーダーシップ学会論文集, 1, 24-30.

上記の論文は、サーバント・リーダーシップがどのようなプロセスでチームメンバー同士の良好な関係性を形成するかを、学生集団と看護師の職場の2つのサンプルを対象に検証したものです。

よくリーダーシップが直接的にチーム内の関係を育むと考えられがちですが、上記の2つのサンプルからはことなる結果が得られました。
1.サーバント・リーダーシップは、チーム内のメンバー同士の関係性(TMX:Team-Member eXxchange)を形成するポジティブな効果を持つ。
2.ただし、この効果は、2つの間にリーダーとメンバーとの関係性(LMX:Leader-member eXchange)を入れると消失する。
3.すなわち、サーバント・リーダーシップは直接チーム内のメンバー同士の関係性を育むのではなく、サーバント・リーダーシップによってリーダーと個々のメンバーとの関係性が育まれて、その結果としてメンバー同士の関係性の形成に発展する。
本研究では、これらの効果を総称して、「サーバント・リーダーシップの波及効果」と名付けました。

共同研究が2017年日本心理学会 優秀学会発表賞を受賞しました

2017年9月20日-21日に久留米シティプラザで開催された日本心理学会第81回大会において,以下の発表が「2017年学会賞(優秀発表賞)」のひとつに選ばれました。

・発表者:有吉 美恵(九州大学大学院)、池田 浩(九州大学大学院)、縄田 健悟(福岡大学)、山口 裕幸(九州大学大学院)
・発表題目:社会的貢献の振り返りが新任者のストレスを低減する効果

本共同研究は、コールセンターに勤務するオペレーターを対象に、彼・彼女らのストレスを抑制し、そしてワークモチベーションを向上させることを目指した一連の研究の一部です。
昨今、様々な業種でコールセンターが設置されていますが、そこで勤務するオペレーターのストレスや退職率の高さが問題となってます。
その中でも、本研究で対象としているオペレーターの受電内容は、顧客から寄せられるトラブルに適切かつ迅速に対応することが求められるものであるため、達成感を感じにくいという特徴をもっています。

こうしたコールセンター業務において、我々は現場観察やインタビュー、質問紙調査を行い、オペレーターのワークモチベーションを左右する心理的要因として『社会的貢献感』(自らの業務を通じて“顧客”、“同僚”、“上司”(総称して『社会的』)に貢献できていると感じる程度)を同定し、その効果を検証してきました。

本研究では、そうした社会的貢献感を意識化するための取り組みとして、某企業の複数のコールセンターに1ヶ月間の介入を行い、その効果を検証したものです。