カテゴリー別アーカイブ: 研究

「産業・組織心理学研究」にワークモチベーション尺度開発論文の掲載が決まりました

「産業・組織心理学研究」の第30巻2号に、下記の論文の掲載が決定しました。

池田  浩・森永雄太  (2017). 我が国における多側面ワークモチベーション尺度の開発   産業・組織心理学研究   30(2)    印刷中

ワークモチベーションは、様々な組織現場で話題なる問題です。それに連動して、学術的にもホーソン研究以降、業績に直結する重要な変数として、多くの研究者が関心を寄せ、様々な理論が蓄積されてきました。

しかし、驚くことに、現在のスタンダードな定義や枠組みに基づいて「ワークモチベーション」を測定できる尺度(ものさし)がありませんでした。

今回の論文は、森永雄太先生(武蔵大学)と2013年にこうした問題意識を共有して始めた共同研究の成果です。このHPでも、その成果をコンパクトに紹介していきたいと思います。

また、この尺度を使って、コールセンターの現場やライフライン企業の現場においても、数年に渡って調査を行っています。その成果の一部を来年3月に東京で研究会という形で発表し、ご参加頂ける皆様と議論できる場を設ける予定です。ご興味のある方はご参加下さい。(なお、発表に際して、先方の企業の許可が必要なため、発表する内容に変更が生じる可能性があります)

 

このHPでも改めてご案内する予定です。どうぞよろしくお願いします。

 

 

「産業ストレス研究」に論文の掲載が決まりました

「産業ストレス研究」の第23巻3号に、下記の論文の掲載が決定しました。

池田  浩 (2016). 従業員のポジティブメンタルヘルスを引き出すサーバント・リーダーシップ可能性 産業ストレス研究, 23(3)  印刷中

この研究の大きな目的は、サーバント・リーダーシップが従業員のポジティブメンタルヘルスにいかに影響するか、理論的かつ実証的に明らかにすることでした。

その前提として、そもそもリーダーシップは従業員のメンタルヘルスにどのような影響を及ぼすのでしょうか?

現実には上司の存在や言動が従業員のメンタルヘルスに大きな影響を与えることは経験的に理解されているものの、リーダーシップの研究をみると従業員のメンタルヘルスについてほとんど看過されていました。

その大きな理由は、リーダーシップ研究の関心が、組織のパフォーマンスの向上にあるからと言えます。

とはいえ、リーダーシップの希少な研究を丁寧に整理すると、上司の部下に対する侮辱的な行為を意味する侮辱的管理(abusive supervision)や、上司が従業員に関与しない自由放任型リーダーシップは、直接的あるいは間接的に従業員のメンタルヘルスを蝕んでいことが明らかになっています。

一方で、サーバント・リーダーシップは、従業員のストレスを抑制する機能を持つだけでなく、ワーク・エンゲイジメント(仕事への熱意)などのポジティブメンタルヘルスを促進する機能も同時に併せ持つハイブリッド(2つの機能性)な効果を持つことが言えそうです。

ご興味ある方はご笑覧下さい。

科学研究費補助金 基盤研究(C)に採択されました

 今年度から『組織におけるフォロワーシップの概念確立とその育成支援に向けた生起要因の解明 』のテーマで、科学研究費補助金 基盤研究(C)に採択されました。
 昨年度までは「サーバント・リーダーシップ」のテーマで科研費の補助を受けて、研究を進めてきました。そこで得られた研究成果をさらに発展させ、フォロワーの視点から「フォローワーシップ」に関する研究に取り組んでい行きます。
 一般的には、リーダーシップに関心と多くの期待が寄せられていますが、ある研究者によればリーダーシップが組織業績に及ぼす効果は20~30%にしか過ぎず、残りの多くはフォロワーの貢献によると指摘されています。この指摘が妥当性を持っているかどうかは別として、リーダーシップが、リーダーとフォロワーとの相互作用によって生まれる現象であることを考えると、フォロワーがリーダーに対してどのように関わるかは、組織の成果を左右する重要な問題です。また、健全で倫理的なリーダーをつくるのもフォロワーの役目かも知れません。
 最近では、リーダーシップ研究では、「倫理的リーダーシップ」など「倫理性」が強く意識されています。また、イギリスでは毎年、リーダーの『傲慢さ』(hubris)を議論する国際会議が開催され、学際的な視点からこの問題が議論されています。
 こうした視点から、「フォローワーシップ」に関する理論的かつ実証的な研究を進めていきます。
なお、今年度の「社会心理学会」では、『 勇敢で献身的なフォロワーシップの生起要因に関する研究
』と題して、基礎的な研究成果を報告する予定です。

福岡大学人文論叢に「リーダーの自己犠牲」に関する論文が掲載されました

2015年6月に刊行された福岡大学人文論叢に「リーダーシップ機能を補完するリーダーの自己犠牲に関する研究」の論文が掲載されました。

self-sacrifice

リーダーの自己犠牲とは、”リーダーが組織や集団の目標を達成するために、自らの個人的なコストを被ること”と説明されています。 ここで言うコストとは、金銭などの物理的コストや時間や労力などのコストも含みます。

実は、インド独立の父として知られるマハトマ・ガンジーなど、偉大な指導者のなかには、見返りを求めずに人々のために尽くす行動が見受けれます。

従来のリーダーシップでは、ハーバード大学やミシガン大学、日本でも九州大学などでは、1950年代から盛んに、効果的なリーダー行動とは何かを探ることがなされてきました。そして、そこで観察されたリーダーの行動は、直接、課題遂行やメンバーとの交流に関する行動に注目されてきました。

リーダーの自己犠牲行動は、必ずしも観察されにくいものですが、普段から交流している集団のメンバーから見ると、その行動を見て、リーダーに対する信頼感につながるようです。

池田 浩 (2015). リーダーシップ機能を補完するリーダーの自己犠牲に関する研究 福岡大学人文論叢, 47(1), 1-18.

p.s. 昨年の秋頃に、福岡大でも機関リポジトリが運用されはじめました。サイトを閲覧したところ、なんとこの論文がランキングの上位に位置しており、この投稿(2016年2月3日)をアップした時点でもランクインしています。閲覧してくださった方、ダウンロードしてくださった方には感謝申し上げます。