産業・組織心理学会の組織行動部門研究会で「サーバント・リーダーシップ」の研究成果を報告しました

去る3月8日に産業組織心理学会の組織行動部門研究会において、「未経験課題を克服するリーダーシップ」というテーマのもとで、サーバント・リーダーシップの研究成果を報告しました。

私の今回の発表ですが、まずリーダーシップ研究の最新の動向を概観しながら、従来のリーダーシップと「サーバント・リーダーシップ」がどう違うのかについて、下記の3点を中心に報告しました。

1つ目の違いは、従来のリーダーシップ論(2要因論や変革論など)は主に「リーダーとして何をすべきか(What I should do)」を追求していたのに対し、サーバント・リーダーシップや関連する倫理的リーダーシップ(Brown & Treviño, 2006)やオーセンティックリーダーシップ(Avolio & Gardner, 2005)は「リーダーとしてどうあるべきか(What I should be)」というリーダーとしての「姿勢」が問われていることです。

2つ目の違いは、従来と比べて、昨今のリーダーシップでは特に「メンバーの自律性」や「チーム力」を引き出すことが一層期待されていることです。これは、ひとえに、昨今の組織を取り巻く環境の変化がこれまで以上に激しく、また未経験な課題に直面することも珍しくなくなったことによるものです。

3つ目は、従来のリーダーシップは、人の上に立ち、上意下達で支持や命令をするものという暗黙の前提があったのに対し、「サーバント・リーダーシップ」は逆にフォロワーやチームに尽くしたり、支えたり、支援することを強調する理論で、リーダーシップ研究において「パラダイムシフト」(これまで支配的に考えられていた価値観が変わること)が起きていることです。

これらの違いを踏まえながら、「サーバント・リーダーシップ」の最近の研究成果と私がこれまで収集した研究結果を踏まえ、「サーバント・リーダーシップ」に関する効果と可能性について報告させて頂きました。

発表後も多くの方にコメント頂き、特にメンタルヘルスなどに携わっておられる人事関係の方々から、サーバント・リーダーシップがポジティブ・メンタルヘルスや組織活性化に寄与するのではないか、といったコメントも頂きました。